米コインベースクラウド(Coinbase Cloud)が、企業向けweb3ウォレットソリューション「Coinbase Wallet as a Service:WaaS」をイーサリアム(Ethereum)メインネット上にローンチしたことを5月24日発表した。
「WaaS」は、企業が顧客向けにカスタマイズ可能な独自のオンチェーンウォレットアプリを構築できるAPIプラットフォームだ。コインベースは今年3月に「WaaS」の発表をしており、今回イーサリアム上でローンチした。
「WaaS」がイーサリアム上でローンチしたことにより、エンドユーザーはいつでも「WaaS」からメタマスク(MetaMask)などのセルフカストディウォレットに秘密鍵をエクスポートできるようになったとのこと。
なおエンドユーザーのみがウォレットを完全に制御できる為、コインベースやウォレット開発者がユーザーに代わって、資金へのアクセスや移動をすることはできないという。
「WaaS」で構築されるウォレットアプリは、マルチパーティ計算(MPC:秘匿計算)技術が活用されていることから、秘密鍵は複数のパーティ間で分割、暗号化、分配され、各モバイルデバイス上に安全な状態で保存されるという。
その為エンドユーザーは、秘密鍵の管理に必要となるシードフレーズを気にせず、アプリ内に直接埋め込まれたユーザー名とパスワードだけを使用して、ウォレットの作成やアクセス、復元までできるとのこと。
なお現在「WaaS」で構築されたウォレットアプリはiOSとAndroidで展開可能となっている。
コインベースクラウドとは
コインベースクラウドは米コインベース(Coinbase)のブロックチェーンインフラストラクチャー部門だ。昨年9月には、無料でアクセスできるノードサービス「ノードバイコインベースクラウド(Node by Coinbase Cloud)」をweb3開発者向けに公開したことを発表している。
また他にも、暗号資産の購入・送金システム構築をサポートする「Pay SDK」など、web3開発者に向けたDapps(分散型アプリケーション)の構築をサポートするサービスを提供している。