金融サービス・市場法案の修正案を承認
英国のチャールズ国王は29日、金融サービス・市場法案の修正案を承認した。この法案は、暗号資産(仮想通貨)を金融商品として規制できることを明確にする内容も盛り込んでいる。
すべての仮想通貨を規制された金融活動として指定し、仮想通貨広告の監督、企業の登録制度、さらに、ステーブルコインを英国で決済手段として規制することを可能にする内容も含むものだ。
英国財務省、金融行動監視機構(FCA)、イングランド銀行(中央銀行)、決済システム規制当局などには、仮想通貨セクターを管理するガイドラインを策定し、施行する権限が与えられることになる。
アンドリュー・グリフィス財務長官は次のようにコメントした。
この画期的な法律により、英国が金融サービスの規則を管理できるようになるため、英国の企業と消費者の助けとなり、成長が促進される。
英国は、世界で最もダイナミックで競争力のある金融サービスの中心地となる軌道に乗った。
金融サービス・市場法案の修正案は、英国のEU離脱に伴うものだ。古いEU法を廃止して、英国独自のルールを採用し、イノベーションを解き放つことを目的としている。
仮想通貨以外では、「金融市場におけるブロックチェーンなどの新技術の利用や試験を容易にする制度を確立すること」や「卸売市場に対する不必要な制限を削除すること」などを主要項目とするものだ。
法委員会の勧告
英国では政府関係の独立組織「The Law Commission(法委員会)」が28日、デジタル資産を含む個人財産の新たなカテゴリーを創設して仮想通貨に対応することを提案している。
この提案は、英国政府の委託により行われたものだ。
法務委員会は、仮想通貨や非代替トークン(NFT)などのデジタル資産は従来の個人財産のカテゴリーに当てはまらないと指摘。「デジタルオブジェクト」という第3のカテゴリーを追加することを提案している。
その他にも、以下の内容に言及した。
- デジタル資産に関連する複雑な法的問題について裁判所に助言する委員会の創設。
- 仮想通貨トークンなどに関連する担保契約の締結、運用、執行をより容易にする、特別な法的枠組みの作成。
アンドリュー・グリフィス財務長官は、法委員会の提言を慎重に検討するとして、次のように述べた。
英国が持つ優れたビジネス環境に、仮想通貨を規制するためのアプローチを組み合わせることで、英国はデジタル資産の成長を促進するイノベーションの先駆者となり、経済を成長させていく。