ビットコインの価格予想
英金融大手スタンダードチャータード銀行は10日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の価格が2023年末までに5万ドル(約706万円)、2024年末までに12万ドル(約1,695万円)まで上昇する可能性があると予想した。
この予想は同銀の情報を入手した海外メディアが報道。4月には24年末までに10万ドルまで上昇しうると予測していたが、前回は慎重すぎたと述べており、今回は2万ドル予想を引き上げた。本記事執筆時点でビットコインは、3万800ドル付近で取引されている(コインベース参照)。
4月の予想時には23年末の予想はしていなかった模様。この時、同銀が価格上昇の根拠にしていたのは以下の要因である。
- 米欧の金融不安によるビットコインの価値向上
- ビットコインのドミナンンス(市場占有率)の上昇(50〜60%へ)
- マイナーの利益の増加
- 米利上げ終了が近づくことによるリスク資産の安定
- 半減期(2024年4月予定)
- 規制整備、機関投資家の資金流入、取引高減少
今回の予想で特に強調されている要因はマイナーの利益の増加。ビットコインの価格が上がってマイナーの利益が増加することで、新規で発掘されるビットコインをマイナーが売る量がより少なくなると予想した。
マイナーはビットコインの純供給量に大きな役割を果たすとし、資金流入が維持され、供給量が減っていくことで、価格上昇につながるとみている。
なお、今回の価格予想報告では取り上げられていないようだが、ビットコインOrdinalsとBRC-20トークンによる取引手数料(マイニング手数料)の高騰もマイナーの収益改善につながっているとみられている。
マイナーの売却量
スタンダードチャータード銀行は、マイナーに直接話を聞いた模様。その上で、マイナーが現金を確保するための手段は以下の3つだとしている。
- ビットコインを売却
- 株式を売却
- お金を借りる
そして、マイナーは株価は低く、金利は高いとみていると指摘。この点から、現状ではビットコインを売るのが現金確保の最も最適な手段だとした。しかし、ビットコインの価格が上昇することで、この状況は変わっていくと主張している。
同銀によると、最大規模の12のマイナー(世界のマイナーの20%相当)は2023年1Q(1月から3月)、新規で採掘したビットコインの106%を売却しているという。一方、2Q(4月から6月)は100%以下に減少しているとみられており、売却量が減って供給量の減少が継続していくことで、さらなる価格上昇につながると予想した。