米国でのODL普及を期待
米リップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は14日、米CNBCのインタビューで、リップル裁判に対する米地裁の判決について語った。
今回の判決で米国の銀行が、暗号資産(仮想通貨)XRPを使う国際送金ソリューション「On-Demand Liquidity(ODL)」を利用するようになるかとの質問には、「私は使うようになると考えている」と回答している。
2020年12月の米証券取引委員会(SEC)による訴訟から始まったリップル裁判は13日、米地裁が一部の判決を下した。その際、デジタルトークンとしてのXRP自体は有価証券ではないと判断。これによってリップル社は、ODLの利用について米金融企業との対話が3Q(7月から9月)に始まり、その中の一部が実際の事業に結びつくと期待しているという。
アルデロティ氏は、今回の判決が米国の金融企業の顧客や潜在的な顧客に対し、 安心感を与えることを望むと発言。少なくとも、こういった企業が事業でどんな問題を抱えているかについて、対話を始めることにはつながるだろうとみている。
米国の企業も、国境を越えて価値を移動する際に非常に高い手数料がかかる課題を解決したいと思っているはずだと話した。
ほかにもアルデロティ氏は、地裁が、機関投資家へのXRPの販売は未登録有価証券の取引だったと判断したことにも言及。このことについて、現在リップル社の顧客は主に米国外にいるため、この判断は現状では事業には影響ないだろうとの見方を示した。
裁判の影響
SECの訴訟の影響は、仮想通貨取引所がXRPの取引サービスを停止しただけでなく、リップル社の事業にも波及。例えば、リップル社は21年3月、送金大手マネーグラム社との提携関係を中止したことを発表している。
両社が提携関係を開始したのは19年6月から。マネーグラム社は戦略の一環としてODLも導入していたが、SECの訴訟や米国の不明確な仮想通貨規制を理由に提携中止に至ったと説明していた。
リップル社の最高技術責任者(CTO)デイビッド・シュワルツ氏は14日、ODL関連のXRP販売が有価証券の提供に該当するかについては、まだ明確な答えは出ていないと述べている。