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BitMEXアーサー・ヘイズ前CEO「仮想通貨市場は2024年に強気相場を迎える」

暗号資産

大恐慌以来最大の強気相場

シンガポールで開催中のToken2049にて、BitMEXの共同創業者で元CEO、アーサー・ヘイズ氏が13日、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産にとって「大恐慌以来最大の強気相場を2024年に迎える」との見解を示した。

ヘイズ氏は、過去10年間の仮想通貨の強気市場が、マネーサプライ(流動性)の増加やエコシステム内の特定の技術進化により推進されてきたと指摘。*DeFi(分散型金融)やビットコインのフォークコインなどを指していると推測される。2024年には、これら二つの要因が同時に存在することで、強力な強気相場が期待されると述べた。

1.債務問題

現在の債務の増加ペースと人口の成長の鈍化によるGDPの低成長に対し、政府がマネー・プリンティング、すなわち通貨供給量(マネーサプライ)の増加手段を選択する可能性が高いとヘイズ氏は指摘。

マネー・プリンティングとは

中央銀行や政府が経済を調整し、必要な資金を供給するための手段の総称。マクロ経済の文脈では、中銀による金利操作、準備預金率の変更、資産の購入プログラム(量的緩和)、及び政府による支援プログラムや予算の増加などが想定される。

▶️仮想通貨用語集

世界の債務全体のGDP比率は、2022年に前年の248%から238%に低下し、2020年の258%からも低下した。 出典:IMF

13日付けの国際通貨基金(IMF)のレポートによれば、世界の債務総額はGDP比で2年連続で減少しているが、新型コロナウイルスの影響でその減少傾向は止まりつつある。

ヘイズ氏は特に、COVID-19の大流行を背景として、世界的な債務の増加ペースが加速している現状を指摘。「世界全体が人口増加不足の問題に直面しているのに、どうやって債務問題を解決するつもりなのだろう?誰がその負債を買うのだろうか?」と問い、「マネーを印刷すればよい」と結んだ。

マネー・プリンティングの一環としての「量的金融緩和」は、過去にもリスク資産の強気相場を形成した要因となってきた。特に、2008年以降の量的緩和の際には、米国市場で株価が大幅に上昇。そして2020年3月には、新型コロナウイルスの影響でFRBが「QE4」を開始し、政策金利を1.75%から0.1%に引き下げた結果、株やビットコインの価格が高騰した。

大量の資金供給が市場に流れることで、アセットの価格(特に株価)が押し上げられた。

関連:国債と金利の関係、仮想通貨市場への影響について解説

2.AI技術

一方で、ヘイズ氏は、ラジオや鉄道、インターネットが寄与した過去の技術革命を参照して、現在のAI技術革命が金融市場の強気相場を推進し、仮想通貨市場も恩恵を受けると主張した。

同氏は以前、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)がAI(人工知能)の「選択通貨(The currency of choice)」となるとの考えを披露した経緯がある。ビットコインのデジタル性、エネルギーと紐づく本源価値、及び人間の介入を必要としない持続性など、AIの要求に応える通貨特性を有しているとの見解だ。

出典:MysticRaven

今回改めて、ヘイズ氏は「AIは、人間の法律や規制を気にしない個人的な経済単位」と考えており、ビットコインの性質と相性が良いとの見解を繰り返している。

また、ヘイズ氏はAI関連のベンチャー投資は既に活況であるとして、今後資金流入が見込める仮想通貨のAI銘柄を探したいとの観点から、特にFilecoin(FIL)を今後の注目銘柄として挙げた。同氏はFilecoinの分散型ストレージのソリューションとしての有用性を強調。仮想通貨FILの価値が最高値から90%近く下落しているものの、現在も多くの顧客が利用していることを根拠に投資の価値を説いた。

さらに、ヘイズ氏はFileCoinのストレージ・プラットフォーム、Seal Storageへの投資も明らかに。このプラットフォームはCERN(欧州原子核研究機構)のアトラス・プロジェクトのデータをホスティングしており、「実際の顧客が積極的に利用しており、その有用性は明確」とコメントしている。ヘイズ氏は、Seal Storageと仮想通貨FILの両方に投資している。

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