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今週1/13(土)〜1/19(金)の仮想通貨相場

暗号資産

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。

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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

1/13(土)〜1/19(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円はほぼ横ばい。19日正午時点で、相場は610万円周辺で推移している。

週明けのBTCは一目均衡表の雲上限で反発すると、米国での現物ビットコイン上場投資信託(ETF)取引開始に伴う事実確定売りが一巡し、週央にかけてジリ高基調が続いた。

一方、ドル建てで、4.3万ドル周辺で上値を重くしていると、17日には中国の経済指標の下振れを受けたアジア株式市場の全面安に連れて小甘い推移に転じた。

17日米時間には、12月の小売売上高の上振れを受けて一時は下値を試す場面もあったが、ドル高円安の影響や、懸念されていたGBTCからの資金流出が、ブラックロックとフィデリティのETF(IBITとFBTC)への資金流入で相殺されていることが相場の支えとなり、BTCは610万円周辺で揉み合う展開となった。

しかし、翌18日にJPモルガンのアナリストが、GBTCからの資金流出がBTC相場に当面の間影響すると指摘すると、相場は下値を広げ、一時は605万円近辺まで下げた。ただ、上述の通り、GBTCの売り圧力はブラックロックとフィデリティに吸収されており、残り8社のETFを考慮すれば取引開始から4日間で4.7億ドルほどの純流入も確認されたことから、19日アジア時間から相場は戻りを試す展開となっている。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

GBTCのETF転換による売り圧力は以前から一部で懸念されており、実際にこれまでに17.8億ドル相当のBTCの流出が確認されている。ただ、ETFの取引が始まってから現物BTCの日時出来高はドル換算でおよそ210億ドル〜520億ドルある(CoinGecko調べ)。

さらに、ETF全体へは資金が純流入していると鑑みれば、実質的なGBTCの売り圧力は軽微と言えよう。

とは言え、BTCはドル建てで週明けのサポートとなった一目均衡表の雲上限を割り込んでおり、目先では下値を試す展開に注意したい。

尤も、目先では心理的節目の4万ドル、シカゴマーカンタイル取引所(CME)の先物相場で12月に開いた窓の3.96万ドル、さらに雲下限の3.95万ドルと、足元の水準のすぐ下にはサポートが密集しており、相場の下値余地は限定的と見ている。

第2図:BTC対ドルの一目均衡表(日足)出所:Glassnodeより作成

翻って今週のFF金利先物市場では、一連の堅調な米経済指標を受けて3月の利下げ開始観測が後退した。先週までは70%以上の確率で3月の利下げ開始を織り込んでいたが、足元では53%まで低下している。

金利を生まないコモディティの一種として、こうした動きはBTCにはネガティブだが、予てから指摘の通り、市場はFRBの早期利下げを「織り込み過ぎている」状態だったため、仮に3月にFRBが金利据え置きを決定した際に、それがサプライズとなる可能性が低下してある意味で健全な動きと言えよう。

前週発表された12月の米CPIは、前年比で3.4%と11月の3.2%から加速し、高止まりとなった。中長期的な傾向で言えばインフレは依然として鈍化傾向にあるが、3月までにFRBの目標の2%に落ち着くと考えるのは過度に楽観的だ。

以上に鑑みると、中期的にBTC相場は方向感に欠ける展開が想定される。4月に予定されるビットコインの半減期を織り込む動きで下値は堅いと指摘されるが、FRBの利下げ開始のタイミングが視野に入ってくるまで上値も制限されそうだ。

来週は31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、メディアブラックアウト期間となり、FRB高官らの発言はなくなる。経済指標では、2023年第四・四半期GDP成長率の速報値や、12月の個人消費支出(PCE)価格指数と重要指標が木・金曜日に控えており、相場は週後半にかけて動き出すか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコインETF承認で事実売り、材料出尽くし感も

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