「ビットコイン政策を維持」
エルサルバドルのフェリックス・ウジョア副大統領は1月31日、ナイブ・ブケレ大統領の2期目においても、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は同国の法定通貨であり続けると述べた。ロイター通信が報じた。
エルサルバドルでは4日に大統領選挙が行われるが、現職ブケレ大統領の再選が確実視されているところだ。
ウジョア氏の発言は国際通貨基金(IMF)の勧告を受けたものである。IMFは数十億ドルの融資交渉中に、エルサルバドルに対して、ビットコイン法定通貨化政策の「見直し」を求めていた。ウジョア氏は、これには従わない方針だと話したことになる。
IMFはビットコイン法案が成立した2021年より、再三ビットコイン政策のリスクを指摘してきた。
ウジョア氏は、米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認したことも、ビットコイン政策推進というエルサルバドル政府の決意を強めたと話している。
ビットコイン担保債券「ボルケーノ債」
ウジョア氏は、ブケレ大統領が予想通り再選した暁には、2024年第1四半期(1~3月)中にビットコイン担保債券を発行する計画や、「ビットコイン・シティ」の建設などを進めていくと述べた。
昨年12月には、エルサルバドルのビットコイン担保債券「ボルケーノ債」が、同国のデジタル資産委員会(CNAD)によって承認されている。
昨年1月時点の計画によると、この債権は約1,460億円(10億ドル)分のビットコインを担保に発行されるものだ。期限は10年間で、年間6.5%の利回りを投資家に提供する見込みとなる。
「ボルケーノ債」で調達された資金は、「ビットコイン・シティ」の建設やビットコインの購入に充てられる予定だ。
仮想通貨特区や市民権プログラム
「ビットコイン・シティ」はブケレ大統領がエルサルバドル東部で建設を推進する仮想通貨特区だ。付加価値税(VAT)以外の所得税や固定資産税などを非課税として、仮想通貨企業の誘致を行う。
ブケレ大統領は2022年、この特区の電力を完全に火山由来の地熱発電でまかなうと述べている。
エルサルバドルは昨年12月、ビットコインまたはステーブルコインのUSDTで100万ドル(約1.5億円)を寄付した外国人に居住ビザと市民権への道を提供する市民権プログラムも開始した。