リップル社と関係強化
ジョージア国立銀行(NBG)は8日、米リップル社と会合を持ち、同国経済のデジタル化における協力の可能性について話し合ったと発表した。
LinkedInの投稿によると、会合にはNBGからナティア・トゥルナヴァ暫定総裁と金融・監督技術開発部門の責任者であるヴァルラム・エバノイゼ氏が参加。リップル社からは中央銀行担当副社長のジェームズ・ウォリス氏が参加し、デジタルソリューションで同社と提携するEPAM System代表のアリスターブラウン氏を紹介した。
会合では、フィンテック分野における協力の強化とジョージア経済のデジタル化の機会を模索することに焦点が当てられた。
EPAM Systemは米ペンシルベニア州に本社を置き、ソフトウェアおよびデジタルプラットフォームのエンジニアリングとデジタル製品設計を専門とする会社だ。
リップル社は、NBGの中央銀行デジタル通貨(CBDC)パイロットプロジェクトの技術パートナーを務めている。
CBDCの試験運用
NBGは昨年9月にCBDCの研究計画を発表。デジタル通貨ラリ(GEL)の試験運用プロジェクトの技術パートナーとして、9社の企業が審査された結果、11月にリップル社が選ばれた。
このプロジェクトは、試験運用を通じて、公共セクター、ビジネス、および小売市場での実用性を評価することを目的としており、農業保険の提供や不動産取引の自動化など、さまざまな用途が想定されている。
リップル社は、ジョージア共和国だけではなく、コロンビア共和国、ブータン王国、パラオ共和国、モンテネグロ共和国、香港といった企画的小規模な国・地域とCBDCのパイロットプログラムを立ち上げてきた経緯がある。また20以上の中央銀行とCBDCイニシアチブで提携している。
同社は昨年12月、CBDCに関する新たなホワイトペーパーを公開。金融包摂の拡大、クロスボーダー決済の効率化、金融政策の管理強化にCBDCが寄与すると主張した。また、有形資産のトークン化において、メリットを享受するためのサポートして重要な役割を果たすと付け加えた。
ジョージアのフィンテック開発状況
世界銀行はジョージア共和国における金融包摂や消費者保護、小売および電子決済、フィンテックの状況に関する評価と技術支援活動を実施しており、昨年10月にその調査結果を発表した。
NGBは、以下の点において、デジタル金融サービスとフィンテックの政策環境、インフラの改善に大きな進歩を遂げていると評価された。
- 2019年:金融イノベーションオフィスを設立
- 2020年:デジタル銀行ライセンスの枠組みを導入、規制サンドボックスを開発
- 2021年:オープンバンキングの第1フェーズを開始
- 2023年:ノンバンクをオープンバンキングに含めることに関する新しい規制制定
- CBDCの調査を開始、フィンテックのビジョンを改良
- 2023-2025の監督戦略で、フィンテックの監督強化を優先
- EUの決済サービス指令2 (PSD2) に沿って、決済システムおよび決済サービスに関する法律を改正
- 単一ユーロ決済圏 (SEPA) への参加を申請
NBGのトゥルナヴァ暫定総裁は、「世銀による診断レポートと継続的な政策アドバイスは、EU指令との整合性を含む、重要な決済システム改革の実施に役に立った」と評価している。